『小さな兵隊』 ブログのタイトルは、この映画から拝借したもの。非常にかわいらしいタイトルが気に入っている。タイトルのもとにした映画なので、初レビュー作品にしたいと思う。大好きな女優であるアンナ・カリーナ主演の作品。監督はヌーヴェルバーグを代表するジャン=リュック・ゴダールだ。なお、評価についてだが、★1が最低、★5または★5+(プラス)が最高評価で、★4以上は人にも奨めたいほどの良作というふうにしている。『小さな兵隊』Le Petit Soldat フランス 1963年公開監督 ジャン=リュック・ゴダール主演 アンナ・カリーナ ミシェル・シュボール評価 ★★★☆☆ 正直に言って、内容はあまり覚えていない。この映画を楽しむにあたって、内容はそれほど大事なようにも思えなかった。内容うんぬん、作品舞台の雰囲気と、アンナ・カリーナという素晴らしい女優を、ずっと観ていられる幸福感みたいなものを感じとれるかどうかである。映画ファンなら、そういう映画を一本くらい観たことはあるはず。なので、決して万人受けする映画ではないように思う。ちなみに、映画を観終わって間もないメモ書きには、ゴダールの作品には、やっぱりジャン=ポール・ベルモンドもいた方が観やすい。と書き残してあった。ゴダール監督は前作の『勝手にしやがれ』で一気に注目を浴びた。その時の主演俳優がジャン=ポール・ベルモンドだ。作品の印象はキャストで決まることも多い。とりわけ、ゴダール作品において、ベルモンドは欠かせない俳優でもある。ここからは、ゴダール監督の話になるが、彼の作品には共通して感じることがある。それは作品に飾り気がないことである。これは、いい意味で捉えてほしい。言い換えるなら、一切の無駄がなくスタイリッシュなのだ。今の映画を観なれていると、『小さな兵隊』のような映画は、どこか物足りなさを感じてしまうだろう。淡々としていて、あっさりしているし、恋人同士のドラマチックな展開もない。観客を煽るようなBGMも流れてこない。そういった演出を抑え気味にして、飾り付けもほとんどしない。あえてそうすることで、素材そのものの良さが最大限に生きている気がする。そう考えると、ゴダール映画の根幹にあるものがみえてくる。永遠のテーマとなる愛、絵になる俳優、絵になるロケーション。ゴダール監督の手にかかれば、俳優に演技力があろうとなかろうと、面白い映画ができてしまうのだ。by spacecowboy PR